自動車趣味はマゾヒスティック
原田まりるさんのコラム「車好きはマゾヒスティックな趣味である。」は、彼女の著作を読むきっかけを与えてくれた面白いコラム。しばらく前の記事で、年齢相応に若いと思わされる言い回しも感じるものの、文筆を仕事にする人はさすが作文がうまいと感心したもの。
三浦瑠璃さん、ちきりんさんも、同じようにとても上手と。推敲を重ねた洗練という印象ではなく、天性の才能というか才気溢れる気持良さで読み始めた方々ですが、そちらはまた別稿で。
さて、その内容。
車趣味は一般的であるように思えるが特殊な楽しみ方をする趣味で、すぐに満たされることのない、満たされるまでのコスパが異常に高い趣味である。「なかなか手に入らないもの」に想いを募らせ、切なさを味わい続ける、車好きはいわばマゾヒスティックな趣味とも言えるのだ、と。
確かに、戦闘機や鉄道趣味で、実機実車を所有欲の対象にする人は、アメリカではたまに見かけたとしても、日本ではありえないと思うけれど、実車を対象とする自動車趣味は、ただひたすら物欲への渇望に耐えることが趣味の長い時間の殆どを占め、それが醍醐味ですらあるからなあ。工学に限らず、自動車の何かを探求する方にとっては少々異なるかもしれないが、それらを趣味と括れるかも曖昧ではある。
趣味で戦闘機を飛ばしたり、単なる娯楽のために鉄道を敷いたりする人が現れる現れないは、単に持つ財産の問題だけではないのだろうと思います。帰国の際にちょっと迷ったりした大きなボート、近所ではガレージ横で違和感なく見掛けていたけれども、やはり持ってこなくて正解だったことを思い出し、生活環境や空気にもよるのかなと思いましたの件。